館山市・駅近くのゲストハウス「tu.ne.Hostel」は関係人口の交差点

こんにちは。
立て続けに記事を書いています。まいふな編集長を見上さんに譲って、新しい仕事の立ち上げをしているやまけんこと山﨑(やまさき)です。

今回は、1週間ほどの時間をかけて宿泊で房総半島を回ってきたのでネタがたくさんあります!この先も引き続き、どんどん房総半島の色々な人たちを取材しブログ形式なのか、記事形式なのか…時には動画も含めて何らかの形で情報発信をしていきます。

2日目の宿泊地は、館山駅近くのゲストハウス「tu.ne.Hostel(ツネホステル)」。

一人でやってきても楽しめる宿「tu.ne.Hostel」

古いクリニックの建物を買い取ってリノベーションし、この街にやってくる旅行者の交流拠点として活かしている事例です。オーナーの漆原さんはIT出身の経営者。「ツネホステル」の「ツネ」は、漆原さんのIT会社「TUNE」からとったといいます。後付けの理由で「非日常」の演出とかって話もあるそうです。

以前から前を通るたびに気になっていた施設

漆原さんに関する記事は、過去にワーケーション女子3人組が描いた記事がとっても上手だったのでこちらを紹介させて頂きます。

自分の手で自分の見たい景色をつくる 館山の引力vol.1 漆原秀さん

https://note.com/nagi_cande/n/n8b321d4e2605?fbclid=IwAR2SxMAJRV7B_w__dcDLX35Ce7zkt1xxfo-siMoTl_SbCyeYsnb_WBradFY

館山にやってきたきっかけは会社の経営につかれたからだったという。しかし、リーマンショックの影響で自ら立ち上げた会社を離れることに。IT企業で働くようになったが過度なストレスで漆原さん自身も精神的に参ってしまう。

雇われずに収入を得るために始めた不動産投資事業だったが、自分がオーナーでそこに住んでいるのにマンション住民とのコミュニケーションにギャップを感じてコミュニケーションを主体としたシェアハウス「ミナトバラックス」開設にいたったのだという。

一人旅でもふらっとやってきて滞在できる「tu.ne.Hostel」に続き、道路を挟んだ真向いの館山界隈で一番最初に建ったという鉄筋コンクリートビル1階フロアを賃貸し、改装し、こちらを個室型マイクロホテルに。その他にもう少し駅近くの場所に「CIRCUS(サーカス)」という単身用シェアハウスも開業する予定だという。

館山界隈で初の鉄筋コンクリートビルだという元ダンボール会社のビル

ワーケーション女子のnoteにもあるが、ふらっと一人でやってきて「tu.ne.Hostel」に滞在。この街を気に入り、「CIRCUS」で過ごすうちに恋をして、「ミナトバラックス」で新生活を始める…そんな街になったらいいなと考えているんですって。

館山界隈のリノベーション街づくり

館山駅界隈をジョギングしてみるとよくわかるが空きビルが多い。シャッターが降りているお店も多くみられる。ともすれば壊れてしまいそうな建物も散見する。

こうした建物が利活用されない理由は船橋でも地方でも同じだろう。

「知らない人に立ち入ってほしくない」「面倒くさいくらいだったら今のままでいい」「困っていない」という理由で船橋市内の商店会でも有効に活用されていないシャッター物件はみられる。

古くても味のある館物が多い館山

人口減少の子の社会において、新しい建物ばかりを建て続けていくという文化には限界を感じる。一体、どうやって漆原さんはこの館山の街でリノベーション街づくり(ワーケーション女子は「マイクロデベロッパー」という言い方をしていた)をすることができたのだろう…

船橋市内でも数年前から物件を取得してゲストハウスやカフェ、シェルターホーム、子ども食堂などを併設したような「複合的なコミュニティ施設を作れないか」と考え続けてきた。しかし、なかなか条件に見合った物件が出てこないのだ…

しかし、漆原さんから話を聞かせて頂き、この街の現状を見て気が付いた。

館山の街は空き家が多すぎて、地価が下がり続けているのだろうと思う。

僕は普段、夏場にしかやってこないのであまり気が付かなかったが、冬場はそれほど多くの人がやってくる場所ではない。観光として考えたときに冬場にやるアクティビティやコンテンツが決定的に少ないのだ。

これまで、房総半島では春~秋までの期間で1年分の収入を稼ぐことができた。もしくは、民宿や旅館は副業で本業は旦那さんが漁業や農業をして、手の空いた奥さんやお婆ちゃんが宿の運営をしたりするものだ。

館山の隆盛期、房総半島の可能性

館山市の人口ピークは昭和30年。5万9416人が住民登録していたという。昭和29年に西岬村、神戸村、富崎村、豊房村、館野村、九重村を編入した事で一気に人口が増加している。(出典:国勢調査、千葉県データベース)

そこから徐々に人口減になっているものの昭和50年にふたたび人口増加。これは、昭和51年生まれの僕が経験している事だが…団塊世代ジュニアと呼ばれる現在のアラフォーたちが生まれた頃。全国的に人口の増加がみられこの後人口ボーナスによる未曽有の好景気がやってくる。

その頃は、作れば作っただけ物が売れ、建ればその分新しい住民がやってきた時代。また、経済が波に乗り始めたので一般家庭にも自動車が普及し、週末には家族でドライブに行こうとかそんな文化が定着してきた時代だ。

この頃の館山はまさに日本のハワイ。東京にも近いし、千葉県は4方向を全て水辺で囲まれている。多くの人が休みを過ごすために館山にやってきたことだろう…そういえば、渚銀座のラウンジで知り合ったMさんも言っていた「30~40年くらい前までは渚銀座に200軒くらいの飲食店があった」と。

そうして作られたビルたちが人口の減少に伴って主を失い、入居者を失った。それらがここ30年くらいで進み、この20年くらいで表面化していったのだろう…

つまり物件の取得費用がものすごく安いのだ。

船橋で空き家を見つけても物件の取得だけで簡単に1000万円は超える。これをリノベーションして…と手をかけていくと普通に1500万円~2000万円程度の仕事になる。

しかし、船橋でゲストハウスを運営しても1泊あたり4000円とれたらいいところ。稼働を30パーセント程度で見積もってみたって10床あって40万円。チャレンジする価値はあると思う…

しかし、館山で同様の物件を見つけた場合には、200万円で取得して100万円で資材を購入して自分たちでリノベーションする事が可能なのだ。5年で返済するとしても月々6万円程度の返済で済む。一方船橋では5年返済で考えても毎月25~30万円。これじゃ、事業として成り立たないわけだ…

しかも、館山をはじめとした千葉の過疎地域と呼ばれるエリアは東京からのアクセスが最も遠いところでも2時間半程度。十分に日帰りも可能だし、宿泊代金が3000円程度だったら渋滞に巻き込まれるくらいなら、ちょっと飲んで、早く寝て、朝方に車を走らせた方が全然快適なのだ。(実際に、僕が何回も経験している)

漆原さんとの会食でそういう話にはならなかったが、事業としても投資効率としても…自分の人生の過ごし方としても十分に価値のある投資になるのが千葉県の海辺なのだと気が付いた。

千葉県民は「海がある事」が当たり前すぎて、その価値に気がついていない…日本人もその多くが海を見られることが当たり前すぎて気がついていないが…中国やアジアの国々の多くの人たちが人生で一回も海を見ないで死んでいくのだから房総半島の価値は世界的に見てもものすごいと思う…

館山にやってきてみて…房総半島の可能性に気が付いた。
船橋や東京では大きな投資亜必要になる事業も、物件の取得に関わる費用が安価で済むことによってイニシャルコストだけでなく固定でかかる日々のコストも変わってくる。返済費用も変わる。

もしかしたら…大きな宝物を見つけたのかも知れない。

とってもハイセンス!tu.ne.Hostelの内部

もちろん、誰がやってもうまくいくというわけではない。

漆原さんの街づくりやリノベーションには、人を引き付けるセンスがある。
宿の内装や共有スペースの使い方、デザインなどを診てもそれが良くわかる。しかし、漆原さんの物件は結構なこだわりようだけど…

漆原さん
「いえ、実はこだわり過ぎて結構支払いもあるんですよ」

やまけん
「たしかに!素敵な物件ですもんね」

共有スペース、仕事をしても良いし食事をしてもOK
昼間はこんな感じ
ワークスペース、机の高さが僕にはちょうどよかった
ちなみに夜はこんな感じ、雰囲気がある
二段ベッドの置かれたドミトリータイプ
貴重品を入れるロッカーもある。

もともと1階がクリニック(診療所)で、2階が院長先生の住居だっただけあって、ベッドを置くスペースには事欠かない。僕が滞在した部屋は二段ベッドが3台あったので6人宿泊できる。(パンフレットによると4台のベッドがある事になっているのでコロナ対応かも知れない)。

僕が滞在したこの日は、同じ部屋に誰もいなかったので完全に部屋を占有。「いびき」も「寝言」も「歯ぎしり」も…誰にも気兼ねせず思う存分に満喫できた。

打ち合わせなどに使われているロビースペース、窓が広くて気持ち良い
診療所時代を彷彿とさせる受付スペース
もともと花壇だったであろう場所はベンチに

院長先生の奥様とか、看護婦さんがお花に水をやったりして丁寧に管理していたであろう花壇は、写真のようにベンチとしても使えるスペースに。これなら、歩き疲れたお婆ちゃんが休んだり、宿泊者が待ち合わせしてご飯を食べに行く時にも待合スペースに困らない。さらに、イベントの時には何かに使えたり…というのも考えられる。

漆原さんご本人、浅井診療所の看板をリノベして使っているのがまたセンスいい!

おまけ。立ち食い蕎麦屋さん

隣接する駐車場のスペースには立ち食いそば屋さん。残念ながら伺った日は定休日でした(日・月・火曜日が定休)。営業している日がちょうど滞在期間と合うようでしたらぜひいかれてみては??

沖縄そばのお店っぽい雰囲気の立ち食いそば

tu.ne.Hostel(ツネホステル)

住所:千葉県館山市北条1712
TEL:0470-29-7974
営業時間:9時~21時
定休日:なし
駐車場:隣接駐車場有
施設概要:総ベッド数4部屋18ベッド、定員18人、ドミトリー(男女共用)8人、女性専用5人、ツインルーム定員2人、定員3人(各1室)チェックイン16時~21時、チェックアウト11時、施設内全館禁煙、中学生未満の子どもは宿泊不可

【情報発信】
公式HP:https://tune.co.jp/
公式FB:https://www.facebook.com/tu.ne.hostel
公式Instagram:https://www.instagram.com/tu.ne.hostel/
公式Twitter:


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