房総半島を訪問する旅を続けるやまけん。
初日に訪問した館山市の件を書かせて頂きます。

27日から南房総~館山の訪問を皮切りに房総半島全域をぐるっと回りながら人と会い、拠点を訪問する旅をしています。せっかく、各所に訪問するのだから、ブログや動画に記録を残していこうと記事を書いておきます。

今回訪問したのは、安房麦酒本社とサルビア珈琲。

20年前…「地ビールブーム」時代から製造している安房麦酒

房総半島を訪れ、お土産を購入する時に「安房麦酒」と漢字で書かれているクラフトビールを手に取った事はないだろうか??シンプルでいて目をひくデザイン。

アンバーエール、ペールエール、ダークエール…すべての便を揃えて購入したくなった経験をお持ちの方は少なくないと思います。僕も当然のようにその一人です。そうです、南房総にやってきたらこの会社「安房麦酒」社長に縁あってお時間を頂戴できたんです!

千葉県安房地域のクラフトビール「安房麦酒」

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1995年頃…全国的に「地ビールブーム」がやってきた。
全国に地ビールを名乗るビールの醸造所、今でいう「ブルワリー」が多数誕生した。

余談だが…実は当時、船橋にも「恵ビール醸造所」というとっても小さなブルワリーが存在していたのだ。

船橋の地ビール会社「恵ビール醸造所」のHP

http://megumi.omiki.com/

この頃、僕はまだ大学生。

ブログなどで得た知識しか持っていないので詳しい経緯は判らないが、1994年に酒税法改正があった。それまで年間で2000キロリットル以上製造できるようないわゆる大手ビール会社しか「ビール製造」が許されなかったものが、年間の生産数がもっと小規模でも製造許可が下りるようになったのがきっかけだったようだ。

今回訪問した、安房麦酒は2001年に設立、この頃から醸造を開始し、億に届くような投資をして醸造所を作り社長自ら営業をして流通ルート確保に励んできた「地ビール」時代からの生え抜きのビール会社なのです。

高橋社長(農業法人安房麦酒:代表取締役)
「最初は、大手ビール会社のビール以外のビールを扱うなんてもってのほか。どこにもっていっても、何度訪問しても相手にもされなかったよ。徐々に千葉県酒類販売や日本酒類販売などが扱ってくれるようになっていったんです。転機は10年位経営した頃からかな…それまで相手にもしてくれなかった大手量販店なんかからも『置かせてほしい』って連絡くれるようになってさ。そこからは営業しなくっても大丈夫になったんだよね」

夕陽と安房麦酒。映える。

やまけん
「高橋にもそんな時代があったんですね…現在は、県内にもクラフトビールの醸造所が増えているので大分認知が上がって各醸造所も楽になったようですね」

高橋社長
「酒税法の改正に加えて、数年前に小さな醸造設備でもクラフトビールの製造ができるように大幅な技術の向上があったんだよね。それで小規模な醸造所でも効率よく生産できるようになったのが大きいんだ」

やまけん
「酒税法の改正だけがきっかけなのかと思っていました!」

高橋社長のお話によると島根県の方だったか…地方の醸造家の方が試行錯誤して新しい技術を生み出したことで省スペースでの醸造が可能になり、初期投資が少なくても醸造免許を取れるようになったのだそうです。この技術革新によってそれまでの10分の1くらいのコストでビール醸造所をつくることが可能になったそうなのです。

国税である「酒税」の徴収をする為に厳格なルールで運用されている醸造免許。ここには僕たち一般の人間が知りえない独特の縦割り社会のルールがあるようなのです。

醸造免許は、「国税局」が監督して許可を出す事業。しかし、飲食の生産なので「保健所」も年に1回程度検査にくるそうなんですね。ほとんどの保健所担当者は「ここは国税が担当なので…」ってことでそんなに細かいところまでチェックする事は少ないそうです。

清涼飲料水のメーカーは保健所管轄の製造許可です。瓶詰めまでする飲料メーカーは機械で栓をするそうなのですが、しかしビールの場合は、よほどたくさんのビールを製造するブルワリーか、誰でも知っているような大手のビール会社でない限り、瓶ビールの栓は昔ながらの手作業なのだそうです。

「保健所」と「国税局」。それぞれの制度と任務の違いから生まれる縦割りギャップの話はとても興味深いものです。

また、昔は中華料理店や食堂なんかでも昼休みの食事にビールを注文する人が多かったので昼にもアルコール消費があったけど、今は飲酒運転や公務員の倫理規定も厳しくなったので昼にビールを飲むという文化がほぼ皆無になったことなども20年の経営の中で起きた変化としてお話ししてくれました。

高橋社長
「田舎は自動車文化なのでアルコールを提供するイベントはやりにくいんだよね。イベントにやってくる人も車で来るからアルコール提供しても飲めない人たちの方が多いんだよ。また、千葉県は日帰りの観光が多いので宿泊してくれる観光客を増やさないとアルコール消費は伸びていかない、宿なんかとの連携は必要だよね」

やまけん
「二次交通との連携なんかもお考えですか?」

高橋社長
「それどういう事?」

やまけん
「鉄道会社の駅から目的地までってバスやタクシー、いまでしたらレンタカーにカーシェアリング、ラードシェアににレンタサイクル…色々な交通手段をパッケージにするシェアプラットフォームがあるのです。ここと連携してクラフトビールのイベントなんかをやってみたいですね」

高橋社長
「それは面白いね」

やまけん
「パッケージに宿泊もセットにしてチケットを販売できると良いですね」

高橋社長
「なるほど!」

高橋社長は、その知的な風貌の裏側にあふれんばかりの好奇心と素直さを持っている魅力的な人だ。僕のように初対面の人間のいう事にも耳を傾け、受け入れてくれる度量の広さを持っている。同時に聞き上手で引き込み上手。こちらが話を聞く立場だったはずなのにどんどん話を引き出してくれる。

やまけん
「安房麦酒って県内のどこでも購入できるイメージがありますね」

実際、安房麦酒は南房総~館山界隈の酒販店、酒屋さんお土産屋さんであればどこでも購入できるイメージがある。

高橋社長
「実は、高速道路のサービスエリアにはお土産としてでもアルコール飲料は置けないんです。ただ、サービスエリアでも一般道からもアクセスできるタイプのところであれば酒の販売も行っているんですよ」

やまけん
「面白いですね。これも高速道路は公安委員会が管轄しているからなのでしょうね」

南房総~館山のリノベーション街づくり

やまけん
「館山の駅前にtu.ne.hostelってゲストハウスがあるのですがあのような宿とも今後連携できたらいいですね」

館山駅近く、病院をリノベーションしたゲストハウスtu.ne.hostel

高橋社長
「まだ、お会いしたことないんだけど…最近館山駅周辺の古いビルを若い方たちと一緒に活用してくれている方ですよね。そういえば、杉井ダンボールのビルの1階でジンの醸造するとか聞いたなぁ…」

(クラフトビールの老舗「安房麦酒」と「クラフトジン」ワクワクするコラボだ。これ、実現しないかなぁ…)

向かいにあるこのビルもリノベーションが進んでいる

やまけん
「駅近くであればお酒の提供も問題ないですし、宿との連携が取れたら宿泊してくれるのでますますアルコールの提供がしやすいですね」

高橋社長の本業は、建築家。建築家の目線で建物の価値などもみている。

高橋社長
「そういえば…杉井ダンボール(現在は、杉井工業所というらしい)のビルって館山で一番最初の鉄筋コンクリートのビルなんですって。あれ、使わなくなってたし、古かったから壊しちゃうのかな…って思っていたけど、手を入れて使ってくれるんだったらうれしいなぁ。この近所ですごく腕のいい大工さんがいるんだけどね、その人が『若い時に自分が手掛けた』って言っていたから間違いないと思うんだよね。飯塚の薬局のところも何かに使ってくれているんだったよね?」

と、今回高橋社長と僕を引き合わせてくれた川名さんにうながす。

川名さんは船橋商工会議所の方で4年間の任期で商工会議所のメンバー同士のマッチング事業を担当してくれていた方。雑談の中で僕が南房総に行くって話をしたら「安房麦酒の社長は同級生だよ」と快く縁をつないでくれたのです。

川名さん
「飯塚のところは、ほら戦争関連の古い本があるから図書館にしてくれたんじゃなかったかな」

高橋社長
「そうだった、そうだった。若い人たちが入ってきて街を変えていってくれるのは心強いよね。我々は安心して引退できるなぁ。ははは」

と、優しい笑顔を見せてくれる。

建築家、茶人としての顔

今回の面談は建築設計事務所の方でさせて頂きました。建築家の事務所ってどこに行ってもセンスが良いんですが高橋社長の事務所もこんな感じ。

実は写真撮るの忘れてしまって設計事務所のほうは写真残っていないんです。こちらの写真は茶室の写真です。

写真撮るの忘れてしまって…茶室の方からの写真のみ

高橋社長
「実は、この事務所には茶室が併設になっているんだよ。見るかい?」

と、高橋社長は事務所に併設されている茶室に案内してくれた。

高橋社長は茶道の先生もされているそうで、茶室とか神社、昔の木材建築手法で建てられた家などを設計したり直したりすることのできるこのエリアに残る数少ない建築家。

南房総エリアでも神社やお寺の設計を任されているそうです。

南房総エリアで、二次交通サービスのプラットフォームを活用して鉄道や宿泊施設とコラボした「ジン」や「クラフトビール」のイベントができると良いなぁと思いながら安房麦酒をあとにさせていただきました。

有限会社農業法人安房麦酒

住所:千葉県南房総市谷向394-1
TEL:0470-36-4231
営業時間:不明
定休日:不明
駐車場:あり