こんにちは。
船橋市場の中で編集の仕事をしながらカフェの運営もしているやまけんです。東京で働いている時には「地域」に興味なんてなかったし、「地方」は観光に行く場所で、過疎化が進んでいる「地方」なんて自分には無関係だと思っていたのですが…

地域に根を張って、草の根の活動に目を向けてみる「地域情報誌(タウン誌)」という仕事をしている内に地域コミュニティの魅力に気が付き、地域が集まって、地域経済が成り立っているのが分かりました。また、地方にも都会にも地域(コミュニティ)がありそれらがつながて行く事で「地域経済」が連携していって大きな経済になる事にも気が付いたのです。

そうした経験から、取材を通じて情報を集め、記録し、繋ぐという役割を少しでも担えないかなと思って地方を回って、地域に根を張っている人を取材して回っています。

野田商工会議所と野田市の商店会における街づくり

今回訪問したのは、千葉県の先っぽ。チーバくんの鼻にあたる「野田市」。しょうゆの町として知られる野田市で地域に根を張って「ギルド」という場を作る活動をしている小出稔之さんを訪問してきました。

野田商工会議所にて、白いマスクの男性が小出さん

小出さんを紹介してくれたのは、野田市の商工会議所で中小企業相談所の所長として活躍されている平井賢吾さん。野田市の商工会議所は、図書館も併設されている真新しいインテリジェントビルの中にあり、ビルの中にはカフェなんかもあったのでまた別の機会にゆっくりお邪魔してみたいなと思いました。図書館の自習スペースっていい感じのコワーキングスペースですよね。今考えてみたら…

野田商工会議所が入っているビル

平井さんは、商工会議所の中小企業相談所・所長という偉い人の肩書にもかかわらず全国各地の色んな街づくり事例を見にいかれているアクティブな方。野田市の商店会でも行っている「まちゼミ」の視察で岡崎市まで行き、全国の商店会応援団として著名な松井洋一さんとも親交があるんです。

「まちゼミ」は、「得する街のゼミナール」の略称。商店会の店主たちが、自分の持っている専門知識を講座形式にして開講する商店会イベント。「店に入って売り込まれると嫌だし、店に入ってしまったら出るに出られなくなるのではないか?」という不安を払しょくし、店主が持っている専門知識にふれることで得するし、店主の人柄がわかったら会話を楽しみながら商店会で買い物もできるようになるというモデルで、商店会のもっている個人店の良さを最大限に発揮させられる企画として全国から注目されている事業なんですね~

この平井さんの口から出た「やまさきさんは、皆川さんともつながっているんですね~」というセリフ。皆川さんという人物は、僕にとっても、船橋市の街づくりにとっても避けて通れない人なので寄り道させて頂きます。

皆川祥延さんという人物

皆川さんは、船橋駅前の一等地に「船橋グランドホテル」を構えている社長さん。「船橋北口商和会」という商店会の会長さんを務めるようになってから全国の商店会活性化事例を訪ね歩き、全国で採り入れられている成功事例をその主催者とともに船橋に連れてきて、船橋市内の商店会に数多くの導入実績をもたらしてくれました。

船橋駅北口の船橋グランドホテル

もちろん、その全てがうまくいったという訳ではありません。中には、企画を立ち上げてみたものの途中で頓挫してしまった事例も数多くあります。何度かの運営に成功したけど、思ったほどの効果がなかった商店会もあるでしょう。

しかし、商店主の多くが目の前の仕事に忙殺されてしまって「店を空けられない(留守にできない)ために、他の事例を知る機会がない」というジレンマに置かれている中、全国の成功事例を立ち上げた人を船橋に連れてきて、「講演してもらう」「商店会視察につき合わせる」などの力技で全国の商店会と船橋の商店会をつないだのは事実です。そのきっかけを作った事の偉大さは当時船橋で活躍していた街づくりに関わっている人なら誰しも知って言う程の偉業。

そんな皆川さんは、6年前の4月に亡くなりました。彼を見送る葬式には多くの人が駆け付けました。桜の咲く春の時期なのに雪が降るとっても寒い日でした。

海坊主のような巨体を誇った皆川さん(写真左)

その後、船橋グランドホテルは皆川さんのお父さんで前社長・皆川泰蔵さんが社長になり切り盛りする事に。

しかし、2019年冬に登場した新型コロナウイルス感染症の影響で年末から徐々に忘年会自粛、新年会自粛…宴会自体が通年キャンセルになりました。宿泊もほぼ皆無になり売り上げが立たない中、4月に入って緊急事態宣言の発令。宿泊と宴会という二つの柱をもぎ取られた船橋グランドホテルは2020年8月で事業を閉鎖する事が決まりました。

閉館前に掲示板に掲げられたあいさつ文章

僕の中では、皆川さんの死や創業時から大変お世話になった船橋グランドホテルの廃業は大きなショックでした。それと共に「事業を継続するためには早い段階からの後継者育成が必要だ」「しかし、後継者が一人だけでは事業の継続が安心できるわけではない、複数での管理体制を構築しなければならない」「地域という器を育て、複数の柱を育てておかないと、思いがけない変化が起きた時に事業自体が揺らぐ可能性がある」と、経営者として多くの事を学ばせてもらいました。

小出さんのつくる「ギルド」、空き店舗活用の事例

古い商家を借りて始まった「ギルドハウス」

小出さんは、IT企業での勤務を経て故郷にUターン。サラリーマン時代に身に付けた営業とIT知識を活かして街づくりの「よろずや」のような活動をしながら生計をたてています。

商店会主や地元中小企業を紹介する「野田市のマッチングサイト~のだま君」では、野田市内にある細かいお店やイベントなども取材し情報を発信。

野田市の仕事とイベントマッチングサイト~のだま君~

野田市の仕事とイベント マッチングサイト 〜のだま君〜 (noda-match.com)

取材を通じて、店主らとのコミュニケーションをとり、町の課題を浮き彫りにしてその課題解決に奔走しています。彼が手掛けた成果として、野田市の魅力発信事業を受託した「野田おもてなしMAP」制作がある。野田市内の商店会を訪れると店頭に置いてあるMAPで、のだま君サイトからもその登録店舗の全貌を見ることができるようだ。

小出さんが作ろうとしているのが、取材を通じて知り合った人たちとこれから知り合う人たちが一緒に働けるギルドという「場」だ。

小出さん
「『ギルド』って言ってもピンとくる人少ないんです…」

とおっしゃる小出さん。

きっと、漫画とかアニメが好きでファンタジーものとか魔法もの、冒険ものが好きな人じゃなきゃピンとこないのかも知れないですね。

ちなみに、僕はすぐにピンときました。

言葉にしてもなかなか伝わり辛いですが…ギルドがある場所は、たいてい酒場とかカフェだったりします。それぞれに特殊能力ある仲間が常にそこに集まってバカ騒ぎを毎日のようにしている感じです。そこに、魔物の話とか事件の話を持ってくる街の人がいてクエストがスタートするわけです。

クエストは時によって、魔法を必要とするものだったり、魔法では解決でいないものだったり…力技でどうにかしなきゃいけない場合も知力を駆使して解決に導く場合もあります。そうしたクエストごとにパーティを組んで挑んでいく時にギルドに仲間が集ってくれていると都合が良いのです。

わかる人にはわかります。

わからない人には絶対にわからないでしょう…

ちなみに僕のYouTubeチャンネルでギルドについて熱く語っているので、興味ある方はこちらもご覧ください。

YouTubeやまけんチャンネル

https://youtu.be/u391ORT0-Ew

まぁ、そんな場所を創ろうとしている小出さんにひどく共感して、実際に見せてもらったのが「のだまハウス」こと「ギルドハウス」なんですね。

何やら忍者屋敷のようなこの古い商家。小出さんは、野田で活躍するみんなが一緒になって使えるように掃除し、改修しているんだそうです。家賃はギルドに所属するみんなで折半にするため誰かの経済活動とか事業の為だけに占有することはできないというルール。

最近は、コスプレイヤーたちがこの和の空間で写真を撮りたいと遠くからわざわざやってくるんだとか。

野田という街

野田市は古くから茨城県・埼玉県・千葉県の要にある交通の要所として栄えた街で、利根川と江戸川の流通を一手に担っている商業の町として発展してきました。

いまでもその名残として、チーバくんの鼻の本当の先っぽに「関宿」という場所があり、ここに「関宿城」という立派なお城が保存されています。自然科学の分野としても興味深い場所で、「利根川と江戸川という大きな川の分岐点にある土地がどの様にして削られずに長い期間存在しているのか」と学者たちが研究をしているんだとか。

水運を活用して発達してきた商業の盛んなこの街では、「キッコーマン」や「キノエネ醤油」が本社を構えており、企業城下町を展開してきたのだとか。

ピーク時にはキッコーマンを中心に社員寮や社員たちの自宅がたくさんあり醤油関連企業に関わる人たちだけで野田の経済界が潤っていたようです。商店会や学校などももちろんキッコーマンに関わる人が多かったでしょうし千葉県内には珍しい発展の仕方をしてきた地域です。ちなみに、現在でも国内消費の3分の1の醤油は野田市で生産しているのだそうです。

下総の総社「愛宕神社」

僕の記憶だと以前は、利根コカ・コーラの本社も野田にあった気がしたので、ネット検索みたのですがどうやらコカ・コーラ内での統廃合があり事業会社が消滅してしまった様子なんですね。

野田市経済界の方々は、平成10年に「東京へ直結する鉄道を実現する会」を立ち上げ、周辺自治体とも連携して「地下鉄8号線」を野田に誘致するために様々な事業を行っているようです。

ギルドハウス(のだまくん)

店名(社名):ギルドハウスのだまくん
住所:千葉県野田市野田279-10
TEL:090-6030-8099
営業時間:10時~19時
定休日:水・日曜日
駐車場:あり
[情報発信]
公式HP:野田市の仕事とイベント マッチングサイト 〜のだま君〜 (noda-match.com)
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